【乱反射 書評】

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スナです。

「乱反射」を読んだので簡単に概要説明と感想を述べていきたいと思います。

 

乱反射:貫井徳郎

 

 

この物語はある1人の男の小さな、小さな無責任から始まる。

そしてその小さな無責任という言葉こそ物語を最悪な展開にするキーワードとなる。

 

裏切りの連続!! 伏線回収業者!!

 「乱反射」の中では9つのストーリーが同時に動いている。

 

①加山家(父・母・長男)

②市役所の役人

③潔癖性の造園業者

④夜間診療所のアルバイト内科医師

⑤虚弱体質な大学生

⑥毎朝犬の散歩をしている老人

⑦街路樹伐採に反対運動をする主婦達

⑧榎田家(父・母・長女・次女)

⑨道路拡幅工事に伴い退去を求められるが反対する老人

 

 

そしてこの中の誰かが、、、

 

 

死ぬ。

 

一体、誰が人を殺めたりするのか?

それはこの物語で鍵となる、

 

小さな無責任が◯◯を殺す。

 

 

「不運」とも捉えられるかもしれない。

ナイフで刺したわけじゃない。

ひき逃げでもない。

強い殺意が引き起こした事件じゃない。

誰も責任が取れないのだ。

 

 

小学生の頃、育てていたアサガオに水をあげることを忘れ枯らせた経験はないか?

街で道を尋ねられ、自分の都合で「知らない」と冷たく突き返した事はないか?

泣いてる子供に「どうしたの?」と声をかけれるか?

ゴミ箱がないからポイ捨てをしたことはあるか?

 

 

みなさんは意識的にやってはいけないとわかっていても、

実際の行動はその意識と反していることが多い。

心のどこかで、

大した問題じゃないよ・・・

 そう思っているのである。

 

想像力不足は罪ではないですか?

本書で遺族が残した言葉である。

あなたがあのときちゃんとしてれば事件は起こらなかった。

 事件が起きたのはあなたのせいだ・・・

 

そう伝えたかったのだろうか。

 

9つのストーリーが最終的には1つの大事件を引き起こす。

1つ1つのストーリーが徐々に繋がっていく。

言ってしまうと、大半の登場人物が直接顔を合わせることになる。

 

 

自分を見直す一冊となる

読み終えた後に僕はバッグの中身を整理した。

正確には「整理しろ」と命令された。

奥底にはガムの包み紙。

シワシワになったハンカチ。

ティッシュがもう無いことに気づく。

 

自己啓発の本は読んだ事はあるだろうか...

偉人や著名人があなたに勇気をくれる内容だ。

勇気をもらうのは簡単だ。

では、

人に勇気を与えるのはどうだろう...

簡単なことか!?

 

今の僕にはハードルが高すぎる。

フルマラソンを走りきる目標があってもやり方を間違えると

マラソンを嫌いになってしまう。

僕なら短い距離から練習するだろう。

 

最初から完璧を目指すなよ。

自己啓発の本で勇気をもらってもどうやってそれを使う?

読み終えていい気持ちになって終わるのか?

大半の人が「やらなきゃいけないのはわかっているけど何からやるかわからない」

こういう答えが返ってくる。

 

 

 

小さい積み重ねが結果をもたらす。

逆転サヨナラ満塁ホームランを打ちたいが、打つ人は影で素振りを何万回もやってる。

それを社会人になって気づいた。

 

僕はハンカチのシワを直したり、

ガムの包み紙を捨てることしか出来なかった。

自分の脳が細かいとこからやれ!!

そう命令したのだろう。

手がそうやって動いた。

 

 

 

 

 

---己のちょっとした都合を押し通し

           それが巻き起こす波紋の責任は誰もとらない----

 

 

---些細なモラル違反の集まり

    誰も犯人を糾弾する権利はない---