【私に似た人 書評】私はテロをする人の気持ちがわかるんです。

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スナです。

「私に似た人」を読んだので概要と感想をざっくりと書いていきます。

 

私に似た人

貫井徳郎/

 

私はテロをする人の気持ちがわかるんです。

 

TVをつけると、どこかの国で起こってしまった「無差別テロ」のニュースが流れていた。

 

なんて酷いことをするのだろう..

テロをする意味がわからない...

残された家族はどう思うのだろう...

 

こんな想いになったところであなたは誰も助けていません。

同じ気持ちに寄り添うことで助けた気にならないでください。

 

この本を読むと気づける部分です。

 


正義ってなんだ?

 

 どこかの国で起こってしまった「無差別テロ」のニュース。

 

どこかの国...

 

どこかの国...

 

どこかの島国...

 

 

どこかの日本という国で...

 

そう。僕たちの国で。

 

「テロは異国で起こる」として捉えていた「テロ」が日本で起こり本書は始まります。

テロと言っても「イスラム国」の様な過激派が日本に攻めてくるわけではありません。

「小口テロ」と呼ばれ日本各地で「日本人が実行犯となり」数を増やしていきます。

 

この実行犯たち...

SNSがきっかけとなり、犯人は生まれていきます。

犯人は次々と生産されていくのです。

サイト内で師と崇められている【トベ】というハンドルネームを使っている

人物が社会に対して不満や葛藤、怒りを持っている人物達にコンタクトを取り、

次々と「小口テロ」を示唆していきます。

【トベ】の意思に賛同した者達が、自分なりのやり方で社会に対して訴えたいことを

「小口テロ」というやり方で表現をしていきます。

 

そんな【トベ】は素性を一切明かさず、SNSのメッセージのみで

信者を作っていきます。

男性か女性かも不明、年齢、職業も不明。

 

そんな【トベ】にはある意外な一面があるのです。

本書を手にしたときには是非、この言葉を頭に入れておいてください。

 

「正義」ってなんだ。

 

 

なんだデブ。不謹慎だな。と思うかもしれませんが、僕は少し【トベ】の気持ちがわかります。

僕がテロをするかと言ったら限りなく0%に近いですが、

考え方は賛同出来るのです。

皆さんが本書を最後まで読んだときに「正義」についてどう思ったか?

それを聞きたい気持ちがあります。


 

10人の主人公達の出口なき感情

 

本書では10人の主人公が存在します。

 

①樋口達郎

②小村義博

③二宮麻衣子

④北嶋和歌子

⑤猪原公平

⑥伊藤圭輔

⑦川渕真弓

⑧川渕正昭

⑨奈良坂俊和

⑩片倉亮

 

大切な人を失った者。

テロを起こす犯人。

犯人を追う公安警察官。

犯人らを「負け組」と軽蔑する者。

共感を覚える者。

煽動しようとする者。

テロにも社会にも無関心な者。

 

全ての感情が詰まっています。

 

【トベ】は誰なんだ!?

 

正解も知ることが出来ます。

 

 

 


 

ある国だからリアルに感じれない

 

 僕もそうなんです。

他人事の様に感じてしまう。

 

世界各地で起こっているテロ。

僕が小学生の頃、アメリカで世界を震撼させたテロがおこりました。

 

アメリカ同時多発テロ事件 - Wikipedia

 

ビルが黒煙をあげて崩壊していくシーンが脳裏に焼きついています。

あの衝撃的な事件は忘れることは出来ません。

 

死傷者はどのくらいに及んだのでしょうか...

僕には歯を食いしばる事しかできません。 

 

結局、僕はそこで行動することを止めてしまっています。

冒頭でも述べた通り、気持ちに寄り添ったところで誰も幸せになれない。

本当に危機を感じているのなら行動に移せるはずなのです。

これは「テロ」に限らず、日常生活で言える事です。

 

やり遂げたい目標があれば真っ先に行動が出来るはず。

僕が助けなきゃ!!という思いが本気ならすぐに足が動くはず。

 

では、この想いを動かす原動力は何でしょうか?

 

僕は答えを持っています。

 

圧倒的な想像力

 

これです。

これしかありません。本当にこれだけです。

 

 自分がどうなりたいのか?

イメージ出来ていないから何から手をつけるかわかりません。

 

誰が苦しむのか?

イメージ出来ていないから誰かが傷つきます。

 

どうしたら物が売れるのか?

イメージ出来ていないから自分の妄想ばかりで客はついてきません。

 

全てに通じます。

 

「もっと考えろよ」と大人は言いますが本当にその通り。

ただ、言いすぎて本来の意味が薄れているのと、本人すら曖昧に使っているので

意味が無くなっています。

 

本書はもちろんフィクションですが、登場人物の言動や思考は著者の

貫井徳郎さんの意思が少なからず入っているんだろうな...と読んでいて思いました。

エンターテインメント大作です。

 

 


 

 

最後に。

テロ支持者【トベ】からの言葉を借りて終わりにします。

 

---想像力の欠如

       想像力がない人は他人に親切などできない---

 

---他人の痛みが想像できない人を

  私は絶対に認めません---

 

 

 

さぁ、日本社会において本当のテロリストは一体誰なのでしょうか?

 

【あなたに似た人】は見つかりましたか?

本書を読んだ方がいましたらコメントで語り合いましょう。笑