【崩れる 書評】崩れるのはアナタの「理想」という「妄想」

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スナです。

貫井徳郎さんの「崩れる」を読んだので概要と感想を書いていきます。

 

崩れる

貫井徳郎/

 

「結婚」をテーマに書かれた8つの物語。

貫井氏の初のミステリ短編集である。

 

理想を高く設定しろ。絶望を味わえるぞ。

 

この物語のテーマは8つ。

それぞれキーワードとなる言葉がある。

 

①崩れる

②怯える

③憑かれる

④追われる

⑤壊れる

⑥誘われる

⑦腐れる

⑧見られる

 

僕は現在、未婚であり恋人もいない。

特にこれと言った「結婚願望」は持ち合わせていない。

 

 

高校時代の頃は友達と「何歳までにこんな人と出会って子供は3人男がいいな〜...」

なんて語り合ったのを覚えている。

僕にとって「結婚」が非現実的なものだと本心で思っていたのか、

どうでもいい条件まで口にしていた。

 

本書を手に取るならば是非、

壮大な結婚願望

 を持って挑んで(読んで)欲しい。

その方がより、

「結婚」に対しての【焦り】【怒り】【妬み】【不安】をリアルに感じれるだろう。

読み終わった後は爽快感など1%も感じられない。

違和感だけを覚える。

 

・いきなり仕事を辞めた息子

・家庭にお金を入れない旦那

・好きな人を奪われた憎しみ

・ママ友との関係性

・痴漢・ストーカー

 

一部であるが本書で描かれている内容である。

違和感を覚えるのは決して誰も気持ちよくなれないストーリー展開のせいだろう。

 

ナイフを背中に突きつけられながら、

いいから読み続けろ!!

そう著者に言われている感じがした。

 

そして、

 

俺もこうなりそう・・・

 

こんな家庭を知っている・・・

 

恋人と喧嘩をしたときの理由って後々考えると、

すごく「些細な原因」が多かったことはないだろうか。

帰りの連絡が遅れたとか、

ちょっとした発言が鼻についたとか、

寝坊したとか、

(あれ...僕だけ?w)

 

本書では誰もが感じた事がある相手との些細なズレが大惨事を招く。

あの時、

僕がこっちの道を選んでいたら同じ大惨事が起こっていたかもしれない。

 

多分、こっちの道を選びすぎた結果、恋人がいないのだろう。

 

かなりリアリティを感じさせてくれて、結果的に萎える。

 

 

貫井氏は裏切り者

あるストーリーで、

「お母さん!!頼む!!もう少し耐えてくれ!!しっかりしろ父親!!」

殴りに行きたいくらい僕は【怒り】を感じた場面がある。

貫井氏の凄いところは【感情を操る術】を知っている所だ。

 

嘘のストーリーとわかっている。

わかってんだよ!!!!

でも、、平常心では読ませてくれない。

 

最終的にはホッと【安心】した所に大暴落する裏切りをしてくる。

刺したナイフをもっっっと奥深く更に捻ってくる。

 

この本を読むと、

既婚者のあなたでも

「自分なら大丈夫」

と言えないだろう。

 

僕が貫井氏から受けた【痛みの強いナイフ】を

今度は、

僕があなたの後ろから突きつけるきっかけとなる...